2022/04/08

第9回リグナイト『みんなで悩めば怖くない! ~骨打ち議論人型体編 その③~』~議論結果~

こんにちは。
BACKBONEの福本です。

今回は、
第9回リグナイト『みんなで悩めば怖くない! ~骨打ち議論人型体編 その③~』
の当日の様子をお伝えします。

リグナイトに関してはこちら。

リグナイト概要
第1回リグナイト『リガーアニメーター座談会その①』前編~議論結果~
第2回リグナイト『リガーアニメーター座談会その②』中編~議論結果~
第3回リグナイト『リガーアニメーター座談会その③』後編~議論結果~
第4回リグナイト『ゲームと映像のリグの違いその①』~議論結果~
第5回リグナイト『ゲームと映像のリグの違いその②』~議論結果~

第6回リグナイト『フェイシャルリグ ~リガーアニメーター座談会~』~議論結果~
第7回リグナイト『みんなで悩めば怖くない! ~骨打ち議論人型体編 その①~』~議論結果~
第8回リグナイト『みんなで悩めば怖くない!~骨うち議論人型体編 その②~』~議論結果~

 

今回も前回に引き続き、Zoomでのオンライン開催となりました。
ご参加いただきました会社様の数は下記となります。

議論枠

<業種>
・映像:7社
・ゲーム:7社
・フリーランス:1名
・学校/教育:3名

<職種>
リガー(TA/TD含む):15
・モデラー:1名
・アニメーター:1名
教員/講師:2名
学生:1

視聴枠

<業種>
・映像:7社
・ゲーム:7社
・フリーランス:3名
・学校/教育:13名

<職種>
リガー(TA/TD含む):26
・モデラー:5名
・アニメーター:9名
・ジェネラリスト:4名
・その他:8

※以下の議論内容は、各テーマの「解」ではなく、皆さまの経験談に基づく「ご意見」となります。

 

前半 骨の位置・軸(首、頭)

前回と同様にMayaの画面を共有しながら、Mayaでの実践を交えて骨の位置について議論しました。

〘首の位置

《 正面から見て 》

  • 鎖骨の根本を基準に配置する。(多数)
  • 回転した際、首が折れた印象にならないように鎖骨より少し下側に配置する。
  • 僧帽筋への影響を意識して配置する。

 

《 横から見て 》

  • 先に頭の骨を配置して、首の形状の中心を通るかを確認しながら首の骨を配置する
  • ツイストした際のデフォームを考慮して形状の中央を通るように配置する。(多数)
  • 首の骨を1本で設定する場合、首と頭の骨の位置が離れすぎると首が硬く見えるので離れすぎないように気を付けている。首が長いモデルの場合は首の骨を追加する事もあるがレギュレーションによる。
  • デフォームを考慮しつつ、形状の中心より少し後ろ側に配置する。
  • 形状の中心より少し前側に配置する。
  • 鎖骨付近をデフォームさせたくないので鎖骨より少し上側に配置する。
  • 形状の中心、高さは鎖骨の位置に配置する。(多数)
  • 形状の中心、高さは鎖骨の位置より少し下側に配置する。
  • 襟のついた衣装や僧帽筋の動きがよい感じになるように配置する。

 

《 骨の数 》

  • デフォームを考慮して4本。ただしコントローラは4つではない。首のコントローラーを回した時に、4本がどのように動くかをプロファイルカーブで設定する。首が短くてもシステム上変更するのが面倒なので4本で設定している。
  • 2本設定しているが実質1本。ゲームではLook At(ソースとなるオブジェクトの方向に自動で向く仕組み)などをさせる際に骨の数が多いとプログラム処理的に厄介なので、内部的には1本で動くように設定している。
  • 1本。Look Atの設定を考慮すると1本になる。
  • 1本。デフォームは補助骨で調整する。(多数)
  • 1本。格闘技系のゲームだと筋肉量が多く首が太いのでデフォームの硬さは特に気にならないのかもしれない。

 

《 骨の軸 》

  • ワールド軸で設定する。
  • ローカル軸で設定する。
  • X軸が子供の方向を向くようにローカル軸で設定する。(多数)
  • 基本的にはローカル軸で設定しているが、親階層に首を水平にツイストできるジョイントを設定しているので、ワールドでもローカルでも両方の軸でツイストできる。

 

《 格闘ゲームの場合 》

  • 格闘ゲームでは、共通モーションやモーションキャプチャの流用を考慮して、横から見て腰から頭にかけて真っ直ぐに骨を配置する。その後、配置した骨に対して形状を作成する。モーション側の量産の仕組みに合わせると骨合わせで形状を調整させざるを得ない。
  • 実装環境上でモーションを共有しないといけない場合は、軸の共通化を意識をする必要がある。弊社ではMayaのシーン上でモーションを共有することが多いので、モーションのズレや誤差はリグ側で吸収して骨位置や軸はモデルに合わせることが多い。

首は背骨の位置と軸にも関係するので、第8回リグナイトの記事も参考にしてください。

 

〘頭の位置

《 横から見て 》

  • 頭蓋の形を意識しつつ耳たぶの下あたりに配置する。その上で首と繋げて確認し微調整する。(多数)
  • 耳の下あたりに配置する。
  • 高さは鼻の下から上唇の間くらい、横から見た時に耳の中央より少し後ろに配置する。
  • 極端に頭が大きいモデルの場合は、頭を振った際に頭の動きが大きく見えるので動きを安定化させるために少し上側に配置することもある。

 

《 骨の軸 》

  • ワールド軸で設定する。
  • ローカル軸で設定する。
  • 頭の角度に合わせてX軸が子供の方向を向くようにローカル軸で設定する。
  • 頭の角度に関わらずX軸が上を向いて垂直になるように設定する。
  • X軸が上を向いて垂直になるように設定する。頭に角度がついている場合は、正面を真っすぐ見るポーズになるようにモデル側で修正する。(多数)
  • プログラマーさんからの要望でX軸は前方方向に向くように設定している。

ゲームの場合は、プログラマーさんと相談して軸を決めた方がよさそうです。

 

前半は上記の議題の他にも、前回の内容を振り返りつつ、
「腰骨の位置、軸」
「背骨の位置」
「足首の軸」
について議論しました。

 

後半 骨の位置・軸(肩、腕

〘肩の位置〙

《 正面から見て 》

  • 上腕に向かって真っ直ぐになるように配置する。(多数)
  • 上腕の骨の位置を決めて、上腕の位置から中心に真っすぐ伸ばした位置に配置する。中心よりに配置すると前後に回転した際にシルエットが痩せすぎる問題が発生したので、今は中心から少し離した位置に配置している。肩を上げると鎖骨の形状が破綻するので鎖骨のディテールは補助骨で再現している。(多数)
  • 鎖骨の付け根の位置に配置している。
  • 格闘ゲームの場合は肩の可動範囲は凄く重要。肩が入ったストレートパンチやアッパーカット等で肩を大きく動かす事が多いので、大きく動かすために中心よりに配置している。高さに関しては鎖骨の根元の後ろ側ぐらいの位置に配置している。

 

《 上から見て 》

  • 肩を前に動かした時やツイストした時の広背筋のデフォームを考慮して、形状の中心あたりに配置している。(多数)
  • 形状の中心あたりに配置すると形状を整えやすい。
  • デフォルメキャラの場合、胸にボリュームのあるキャラが多いので(例インクレディブル)上から見て胸のボリュームに沿って動くように意識して配置する。肩を回した際に移動でオフセットして形を直せるような仕組みも設定している。
  • 前側にするとピボット位置がズレて何かと不便なので、形状の中心あたりに配置している。

 

《 骨の数 》

  • 1本。(多数)
  • ツイスト用に2本で実質は1本。

 

《 骨の軸 》

  • ワールド軸で設定する。
  • X軸が子供の方向を向くようにローカル軸で設定する。(多数)

 

《 鎖骨形状の付け根に配置する考え方について 》

  • 鎖骨のシルエットが重要なキャラでレギュレーション上補助骨を配置できない場合は、鎖骨の付け根の位置に配置している。
  • X軸が子供の方向を向くようにローカル軸で設定する。
  • ボディビルダーのモストマスキュラ―ポーズをした際に肩幅が縮まらないのでデフォームが綺麗。
  • モーションビルダーのキャラクタライズでHIKを作成すると、背骨のIKエフェクターは左右の鎖骨骨の中間に作成される。上腕をピン止めして背骨をツイストした際に、上腕が固定されずに大きく動くので銃を構えるポーズで銃の接地が難しくなる。アニメーターさんからの評判は悪い。
  • 扱いにくい。
  • 肩をすぼめると広背筋付近が破綻する。(多数)
  • 鎖骨のデフォームは綺麗になるがツイスト回転で形状が崩れやすい。(多数)
  • 人体解剖学の本には「肩は筋肉と骨の総合的な動作により上から見て中心あたりで回転する」と書かれていた。


肩の形状を綺麗に再現するには、ツイスト回転も考慮する必要がありますね。

 

〘上腕の位置

《 正面から見て 》

  • 上腕の形状の中心を通るように配置している。(多数)
  • 人体の構造を考慮しやや上側に配置しているが、上腕の形状の中心を通るように注意している。
  • まず上腕の骨を配置して次に手首の骨を配置する。次に上腕から手首までの直線上に肘を配置する。肘が形状の中心を通らない事があるが、肘は一軸でしか曲がらないので特に大きな問題ではない。
  • 上腕、前腕ともに形状の中心から少しズレていても、ツイストした際のデフォームの変化が誤差レベルであれば特に気にしない。
  • まず手首の骨を配置して次に肘の骨を配置する。肘から上腕に向けてローカル軸上に伸ばして肩峰点の真下(脇の少し内側)に上腕の骨を配置する。
  • まず手首の骨を配置してIKを考慮しながら肘と上腕の位置を探る。(多数)
  • 手首のツイストを中心に考える時は手首の骨は形状の中央に配置する。
  • 肘は多少ズレていても、一軸で動くので問題ない。(多数)
  • 上腕は肩の出っ張りの真下くらいで、デフォームを想像しながら決める。
  • 形状と骨があまりにもずれている時はモデラーさんに相談する。(多数)

 

《 上から見て 》

  • 上腕(三角筋)の形状の中心あたりに配置している。(多数)

 

《 骨の数 》

  • 未確認。次回議論予定。

 

《 骨の軸 》

  • X軸が子供の方向を向くようにローカル軸で設定する。(多数)

手首と肘をセットで配置されている方が多いようです。

 

〘前腕の位置

《 正面から見て 》

  • アニメルックの案件では、前腕が長くなりがちでアニメーション時に困ることが多い。腕を組めなかったり顔に手を持っていけなかったりするので、前腕が上腕より長くなるのはNGにしている。
  • 実際に肘を曲げて挙動を確認すると、親指を脇の下に挟むことが出来る。このポーズが再現できることを基準にして配置する。
  • 前腕を長く見せたい(表現したい)場合は前腕を長くモデリングするのではなく、長さを調整できるようにリグ側で対応する。
  • 上腕と前腕の長さのバランスが正しくない場合はモデラーさんに意図を確認する。(多数)
  • 格闘ゲームでは「上腕と前腕」や「大腿と下腿」の長さが『モーションの気持ちよさ』に影響することがある。「モーションの流れを重視する」場合と「ヒットした時の力強さを重視する」場合で長さの比率が異なる。例えば、前腕を長くすると動きを止めた時に力が抜けたように見えるので爽快感が出ない。モーションも速さの緩急の付け方に違いがあるのでゲームの思想による。
  • 前腕が長いと、フックが当たる角度が90度でないと痛くなさそうな印象になる。逆にチョップのように腕を伸ばしながら叩く動きの場合は気にならない、むしろよく見える。

 

《 上から見て 》

  • かなり後(凸)よりに配置する。
  • 凸の形状を考慮して、少し後(凸)よりに配置する。(多数)
  • 形状の中心に配置する。(多数)

 

《 骨の数 》

  • 未確認。次回議論予定。

 

《 骨の軸 》

  • X軸が子供の方向を向くようにローカル軸で設定する。(多数)

肘と手首に関しては時間切れでした。
次回のリグナイトで議論します。

 

後半は上記の議題の他にも、
「上腕が少しツイストされているモデル」
「スキャンベースモデル」
「手首の位置」

について議論しました。

 

『フリータイム』

ご参加いただいた学生の方からご質問がありましたので、
議論枠の皆様にアドバイスをいただきました。

〘解剖学は学んだほうが良いでしょうか。

  • 絶対に学んだほうが良い。
  • 説明時に伝えやすく、説得力も出る。
  • 筋肉や骨格の名称が共通言語となっているので、知識として知っていてほしい。
  • 筋力トレーニングの本を読んで簡略化された名称を覚えるのも良い。
  • etc…

上記以外にも、
「ポートフォリオでMELをアピールしたいのですがアピールにならないでしょうか。」
「デモリールにコントローラを操作する動画はあると良いでしょうか。」
といったご質問へのアドバイスや、
「次世代機の予想
「UE5」
「肘や膝のしわ」
などの議題で議論されていました。

 

おわりに

次回の『第10回リグナイト(4/28(木)開催)』では、『肘、手首、指』について議論できればと思います。
ぜひご参加ください。

第10回リグナイト『みんなで悩めば怖くない! ~骨打ち議論人型体編 その④~』開催のお知らせ

ではまた。

 

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