第8回リグナイト『みんなで悩めば怖くない! ~骨打ち議論人型体編 その②~』~議論結果~

2021/12/09

こんにちは。
BACKBONEの福本です。

今回は、第8回リグナイト『みんなで悩めば怖くない! ~骨打ち議論人型体編 その②~』の当日の様子をお伝えします。

リグナイトに関してはこちら。

リグナイト概要
第1回リグナイト『リガーアニメーター座談会その①』前編~議論結果~
第2回リグナイト『リガーアニメーター座談会その②』中編~議論結果~
第3回リグナイト『リガーアニメーター座談会その③』後編~議論結果~
第4回リグナイト『ゲームと映像のリグの違いその①』~議論結果~
第5回リグナイト『ゲームと映像のリグの違いその②』~議論結果~

第6回リグナイト『フェイシャルリグ ~リガーアニメーター座談会~』~議論結果~
第7回リグナイト『みんなで悩めば怖くない! ~骨打ち議論人型体編 その①~』~議論結果~

 

今回も前回に引き続き、Zoomでのオンライン開催となりました。
ご参加いただきました会社様の数は下記となります。
海外からもリガーさん1名にご参加いただきました。

<議論枠>

  • 映像関連  :8社
  • ゲーム関連 :7社
  • フリーランス:0名
  • 学生    :1名
  • 計     :15社 + 学生1

 

<視聴枠>

  • 映像関連  :12社
  • ゲーム関連 :6社
  • フリーランス:3名
  • 学生    :5名
  • 計     :18社 + 学生5

<議論枠>

  • リガー(TA/TD含む):12
  • モデラー      :1名
  • リガー兼アニメーター:1名
  • リガー兼モデラー  :1名
  • 計         :15名

 

<視聴枠>

  • リガー(TA/TD含む):14
  • アニメーター    :1名
  • モデラー      :2名
  • リガー兼アニメーター:2名
  • ジェネラリスト   :7名
  • その他       :1名
  • 計         :27名

 

 

※以下の議論内容は、各テーマの「解」ではなく、皆さまの経験談に基づく「ご意見」となります。


前半 骨の位置・軸(膝、足首)
前回と同様にMayaの画面を共有しながら、Mayaでの実践を交えて骨の位置について議論しました。

〘膝の位置

《 正面から見て 》

  • 先ずは膝よりも、太ももの付け根から足首まで骨を真っすぐ配置できるようにモデルの初期ポーズを確認する。
    その上で大腿骨、膝、足首の位置が直線上に並ぶように配置する。
    直線上に配置できない場合はモデラーさんに修正していただく。
  • 膝が形状の中心に配置できない場合、膝は一軸でしか回転させないので(デザインによる)妥協してそのまま配置する。
    あまりにもズレている場合はモデラーさんに相談する。

 

《 横から見て 》

  • 自社では大腿骨、膝、足首は直線上に配置するので、少しでも膝が曲がっていた場合はモデラーさんに修正していただく。
    IKが曲がる方向は自社ツールで指定する。
  • モデルの初期ポーズによる。
    膝が曲がっていなければ大腿骨、膝、足首は直線上に配置するし、少し『く』の字のポーズであれば形状に沿って配置する。
  • モデル形状の中心より少し前側に配置する。
  • モデル形状の中心に配置する。
    下腿骨上に足首のツイスト用の補助骨を配置しているので、膝の骨をモデルの中心に配置しないとツイストした際に歪な捻じれ方になる。
  • 自社では足首にはツイスト骨を設定しないので特に気にならない。

 

《 高さ 》

  • 正座が出来るか確認しながら位置を決める。
  • 軽くバインドして、正座した時にかかとがお尻につく位置に配置する。
  • 大腿骨の方が長くなるように配置する。
  • デザインによるので先ずはモデル形状に合わせる。
    曲げた時の形状に説得力が無ければモデラーさんに相談する。
  • 大腿と下腿の長さの比率はできるだけ同じになるように設定する。
    膝が二重関節になる補助骨などを追加して曲げた時の長さの比率を調整する。
  • 格闘ゲームでは下腿の方が長い事が多い。
    大腿と下腿の長さの比率がリアルでは無いが、
    モデル合わせで骨を配置する。

デザインで大腿か下腿のどちらかが長い場合は、コントローラのスケールで長さを調整できるよう設定すると良いと思います。

 

〘足首の位置

  • 足首を後ろに曲げた際に、脛からくるぶしにかけての形状が真っすぐに綺麗なラインになるように意識して配置する。
    くるぶしの形状は曲がらないように補助骨やデフォームで調整する。
  • くるぶしの中心に配置する。
    踏ん張る時に足首が折れたように見える場合は補助骨で補正する。
  • くるぶしの少し下の位置に配置した方が、踏ん張った時のアキレス腱の形状が綺麗だった。
  • くるぶしより高い位置だと足首が折れて見える。

初期ポーズで足首だけを回転して確認するよりも、実際に踏ん張ったポーズなどをつけて確認する方が分かりやすいですね。

 

〘足首の軸

ワールド軸に設定している派が多数。

《 ワールド軸》

  • ゲームエンジンにはシアー成分を出力できないので、足首に関してのみワールド軸で設定している。

 

《 ローカル軸》

  • スケールは基本使わないので特に意識せず、全てX軸が子供を向くようにローカル軸で設定している。
  • 骨はローカル軸、コントローラはワールド軸で設定している。
  • ローカル軸だとエンジン上で何か処理を行う時に座標計算がしやすい。
  • 骨の向きを一部だけワールド軸にするとルールを決める際に混乱を招くことがある。

FBXでシアー成分が出力できれば。。。

 

前半は上記の議題の他にも、
「ブーツや靴を履いているキャラの骨の配置と流用する際の注意点」
「正面から見て足が『ハ』の字に開いているモデルへの骨の配置」
「女性キャラで足が(逆関節気味に)極端に反ったモデルへの骨の配置」
について議論しました。

 


 

後半 骨の位置・数・軸(爪先、背骨)

〘アーチ(足首と爪先のジョイントの間)について

《 入れる派 》

  • アーチ骨を追加すると、つま先と足首の間のシルエットを調整できるので柔らかい表現ができる。
  • シルエット調整に入れるがあまり使われていない。
  • 足首を曲げた時のシルエットを良くするために設定する。

    ※アーチの位置については、もう少し足首寄りといったご意見もありました。

 

《 入れない派 》

  • 固くなるのを許容している。
  • レギュレーション次第。
  • 自社のゲーム案件では特に必要性を感じない。

設定すると表現の幅は広がりますが、リバースフットの設定が面倒なので映像では案件次第といったところでしょうか。

 

爪先の位置

《 上から見て 》

  • 足首以下の三分の⼀ぐらいの位置に配置する。
  • モデルの比率から配置する。
  • ⺟指球を基準に配置する。
  • 小指の位置を基準に配置する。

 

《 横から見て 》

  • 厚みの真ん中ぐらいの位置に配置する。
  • 曲げた時に地面側の形状が伸びすぎないように真ん中より下側に配置する。
  • 靴のシワの入りやすさを重視して、少し足首側に配置することもある。

裸足、足の指も配置する、靴を履いているなど、デザインやモデルによっては位置を工夫する必要があると思います。

 

背骨の位置

《 正面から見て 》

  • 背骨の根本は腰と同じ位置に重ねて配置する。
  • 背骨の根本を腰と同じ位置に配置すると、ウェイトの反転や転送時にラベル処理等で対応する必要があるので少し上側にズラす。
  • 基幹骨を大腿骨と平行に同じ位置に配置する。

 

《 横から見て 》

  • 上半身を回転した際に下半身が動かないように、上半身全体を制御する骨の根元を大腿骨と同じ位置に配置する。※前回の記事参照
    ただこの骨はバインドとしては使用しておらずPivotとして使用している。※自社のリグシステムの仕様(海外)

< 背骨を真っすぐに配置する派 >

  • 背骨をツイストした際に歪なデフォームにならないように真ん中に真っすぐに配置する。
    アニメーターさんからも真ん中よりの方が都合が良いと言われた。

    ※各骨の上下の位置は暫定です。後述の内容を参照ください。
  • 真っすぐに配置するとツイストした際の形状が綺麗かつアニメーションしやすい。
  • 形状に沿ってS字に配置すると個人差が出ることがあるが、真っすぐだと差が出にくい。
  • ポーズや形状次第では解剖学に沿わない位置に配置することになる。
    その場合ツイストは良いが前後に回転した際のデフォームの質が落ちる。
  • 真っすぐに配置するとツイストした際の形状が綺麗かつアニメーションしやすい。
  • 初期ポーズで上半身が反りすぎていると首の位置が大幅にズレるのでモデラーさんにポーズを修正していただく。
  • 背骨を真っすぐに打てるようなポーズでモデリングすると、立ちポーズとして少し違和感がある。
    ゲームのモデルも情報量が多くなってきているので、背骨を真っ直ぐにしたモデリングでは
    格好よくならないので難しい(モデラーさんのご意見)。

  • 背骨を1本1本アニメーションするのが面倒なので、リグでエルミートの計算を設定していた。
    初期ポーズが真っすぐだとエルミートの計算がしやすかったので、リグ都合で真っすぐに配置した。

 

< 背骨を形状に沿って配置する派 >

  • 体の形状に合わせて曲がったように配置している。
    もし真っ直ぐに打つような事があればモデラーさんに相談して破綻がないように作成していただく。
  • ポーズや形状にそって骨を配置しているので、デフォームの調整が楽で綺麗に表現できる。
  • 胸の反り具合にそって骨を配置しているが、アニメーターさんが真っ直ぐを希望されることもある。
  • 形状の中心または少し後ろ側に配置する。
  • アニメーターさんによる。

案件毎に関係各所と相談して決めた方がよさそうですね。

 

背骨の数

  • 3本。2本では足りない。4本目は無くても問題無い。
  • 4本設定する場合は、背中のラインの微調整用に胸骨の位置に骨を1つ配置している。
  • デフォルメされたキャラでは2本の場合もある
  • SplineIKを使用したリグの場合は4本以上になる事もある。

 

《 3本の場合の位置 》

  • 先ず背骨の1本目(根元の骨)を腰骨の位置に配置する。
    次に背骨の3本目(一番上の骨)をみぞおちの位置に配置する。
    最後に2本目(真ん中の骨)を1本目と3本目の二等分した位置に配置する。

  • 背骨の3本目は胸筋とみぞおちの間くらいに配置する。
    背骨の2本目は1本目と3本目の二等分した位置に配置する。

  • 背骨の3本目は乳首の少し下側に配置する。
    背骨の2本目は肋骨をなるべく動かさないようにくびれの位置に配置する。

  • 背骨の根元の骨と同じ位置にベルトがある場合、骨を少しズラして配置する事もある。
2本や4本の場合もお聞きしたかったのですが、時間が足りませんでした。

 

〘背骨の軸〙

  • スケールを考えるとローカル軸の方が良いかも
  • 真っすぐ配置するので必然的にワールド軸になる。
  • 形状に沿わせているのでローカル軸で設定している。

骨の長さを取得してストレッチ機能を設定する場合は、個人的にはローカル軸にしておいた方が良い気がします。

 

後半は上記の議題の他にも、
「mGearの骨の軸や位置」
について議論しました。

 


おわりに『フリータイム』

ご参加いただいた学生の方からご質問がありましたので、議論枠の皆様にアドバイスをいただきました。

〘デフォルメキャラや基準になる骨の位置が分からない場合は、どのように骨の位置をきめていますか?

  • これまでの知見から判断して決めている。
  • デフォルメキャラの場合は、カッコよく見えるように解剖学に反した位置に設定する事もある。
    ※基本的には解剖学をベースに考える。
  • 解剖学での位置を考えて、その比率をもとに考える。
  • セル画の一本の線にも色々な情報が詰まっているので、デザインの意図をくみ取って試行錯誤して配置する。
  • 関節を曲げた時の形状を考えて調整する。
  • シルエットの良さを意識して調整する。
  • シルエットの良し悪しを判断できる見る目が必要。
  • リガーはデッサン⼒、観察⼒が必要なセクションです。
  • etc…

フリートークでは上記の議題の他にも、
「リガーとTD/TAの違い」
「MotionBuilderの話」

などの議題で議論されていました。

 


次回の『第9回リグナイト(12/10(金)開催)』では、首、頭、腕について議論できればと思います。
https://backbone-studio.com/rignightv09/

 

ではまた。

 

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