BACKBONE RIG&TA EXPERTS

第1回リグナイト『リガーアニメーター座談会その①』前編~議論結果~

2018/12/04

ご無沙汰しております。
BACKBONEの福本です。

 

先日開催しました、第1回リグナイト『リガーアニメーター座談会その①』の当日の様子をお伝えします。
リグナイトについてはこちら

ご参加いただきました会社様、リガーさん、アニメーターさんの数は下記となります。

・映像関連   : 10社
・ゲーム関連  :  3社
・両方     :  5社
 計      : 18社

リガーさん    : 11名
・アニメーターさん :  7

・両方       :  2名
 計        : 20名

座談会は、事前にいただいたアンケートからテーマを2つに絞り、徹底的に掘り下げて議論する、
という方針で進めました。優先的に議論したいテーマについて、多数決を行った結果、

① モチベーション
② 教育
③ コントローラー
④ 各フローや作業内容
⑤ GUI
⑥ 仕様やトリセツ

という結果となりました。
慢性的なリガー不足ということもあり、各社様、モチベーションや教育にご興味がある方が多いようです。
進行については、

前半1時間        : 指名された3名が発表席に座り意見を述べる。その後、皆で意見を出し合う。
休憩(懇親会)40分   : お酒とお食事を飲み食いしながら雑談。
後半1時間半       : ランダムに皆で意見を出し合う。

という形で進めました。
前半は皆さん緊張されたご様子でしたが、後半は色々なご意見が飛び交い、とても白熱した議論大会となりました。


             自己紹介の様子

 

 

※以下の議論内容は、各テーマの「解」ではなく、皆さまの経験談に基づく「ご意見」となります。


前半 『モチベーション』

《 リガーさん → アニメーターさんへのご質問 》

 

〘協力してもらいたい事、知っておいてほしい事は何でしょうか?〙

とにかく軽いリグにして欲しい。
・重くてもどうにもならないのはかなり地獄。
・アニメーターはFPSを重要視している。
・人型のリグで1FPS未満はキツい。
・ショット作業では必ず2体以上登場するので、体だけではなく体以上でFPSが速いと嬉しい。
レイアウトでは10FPS位で作業したい。
・レイアウト作業は先ずはタイミングの調整なので、とにかく軽いもの、ディテールなしでよい。
・レイアウト作業ではぶつ切りのモデルで問題ない。
・リガ―さんのPCって高性能なんじゃないの?過酷な環境でアセットを作って欲しい。

レイアウト作業では、とにかく軽さを望まれているようです。
私もリグを設定する際はFPSを意識していますが、2体以上で確認する必要があるのは盲点でした。
これらのご意見に対してリガーの皆さんからは、
「では、ぶつ切りモデルはどれ位の精度が必要でしょうか?」といったご質問がでました。

 

〘ぶつ切りモデルはどれ位の精度が必要でしょうか?〙

何でもよいので軽ければ軽いほどよい
肩を上げた際のシルエットは、ある程度イメージできる形状にしてほしい。
・肩以外はある程度関節の位置で切れていれば何でもよい。
バインドは面倒だと思うのでそこまでは必要ない。
・接地が関係している時はハイメッシュのモデルで確認したい。
・シーンを開くのが憂鬱なぐらい重いシーンでは、綺麗なぶつ切りモデルで代用したい。

ぶつ切りモデルでディテールを詰めるリグ作業は意外と時間がかかるので、
「そこまで精度を求めない」というご意見は、個人的にかなり嬉しい情報でした。

 

〘LOD(Level of Detail)はどういった種類が必要でしょうか?〙

フェイシャル作業の際は、体は超軽量のものに切り替えたい。
・場合によってはレイアウトの段階でフェイシャルが必要なこともあるので、フェイシャルのLODが欲しい。
・揺れものや髪の毛は重すぎて地獄。LODで分けてほしいけど接地も関係するので仕方ない。
・そもそもLODの切り替えがないことが多く、髪の毛や服などが重いとキツい。

特にフェイシャルに関してはLODで切り替えたい、とのご意見が多かったです。

 

揺れものに関して、場合によってはリグを仕込むのではなく、シミュレーションの方が良い結果が得られるのではないでしょうか?

引きのショットなどは自動で揺れる仕様がよい。
揺れものも役者になり得るので、アニメーターが担当した方が良い場合も多い。
・シムチームがシミュレーションした結果はアニメーターもチェックしている。
・シミュレーションできる人が少ないので、手付けで対応せざるを得ない場合がある。

「揺れものも役者」という観点から考えると、シム担当の方は見る目や表現力も養う必要がありそうです。
そもそもシミュレーションができる人材が少ないことが一番の問題かもしれませんね。

 

〘どういったリグだとテンションが上がりますか?〙

デフォームが綺麗だとめっちゃテンション上がる。
・コントロール表示切替をいじったら、欲しかったコントローラーが出てきて感動した
・曲げただけで画になるデフォーム、アートセンスのあるウエイト調整がされていた時。
・画的にみせるリグが組みあがってくるとテンションが上がる。

リガーの皆さんはとても嬉しそうに、アニメーターさんのご意見をお聞きしていました。
リガーの皆さんがドヤ顔に見えました。

 

〘逆にテンションが下がるリグはどういったものでしょうか?〙

重いリグはテンションが超下がる。
・Lowですら激重でどうにもならない時。
・肘から手首、足首のデフォームが汚いリグ。
小指根元の骨、かなり重要。ないと手のひらを丸める動きができない。手の甲は曲げたい。
・背中がのけぞった状態でリグが組まれると猫背に出来ない。

やはり重さがボトルネックなようです。
重くなる理由として「自動で動くリグ」の話題となり、次の議題へ。

 

〘自動で動くリグはテンション上がりますか?〙

・自動化はケースバイケース
・画作りを考えたものだと嬉しい。
極論、コントローラは個別制御で問題ない。
工数次第ではあるが、自動化はクオリティの均質化に大きく貢献している。
下手に連動しているとパーツを分けてアニメーションを付けた際に崩れてしまう。
・頬を動かすと目じりが自動で動くなどのコントローラー連動は、
 アニム側でタイミングをあわせたいので邪魔な時がある。

・目線上げると瞼が上がる機能は欲しいけど、ON、OFF機能もほしい
機能が多すぎるリグは逆に困る
・どっちか選ぶなら、個人的には追従しないほうがいい。

「自動化は便利なので欲しい。On/Off機能も欲しい。」とのご意見が多数でしたが、リガーさんからは、
「On/Off機能の設定工数がばかにならない」とのご意見もあり、案件の内容と工数次第といったところでしょうか。

 

MotionBuilder(以下MB)の使用感についてのご意見を聞きたいです

・アニメーションフローが全然違う。
・MBを常用してる人はMBを好む。手付けでもMBが良いという人もいる。
・アニメーターにより好みもあり、MBでは手付けをしたくない派もいる。
MBがいいのは軽いから、プレビューコストが低い。
・MBではアニメーションのリターゲットが楽
・MBとのデータのやり取りは難しくワークフローに係わるので、使用する場合はルールが必要。
・MBしか触ってない人のコンバートデータに不要なデータが多い傾向がある。

MBのアニメーションのリターゲット機能はかなり重宝されているようでした。
手付け用のリグでもリターゲット機能は必要そうです。

 

喜びを感じるポイントは何でしょうか?

・俺の設定したリグでこんなことができるのか!とリガ―さんから言われた時。

使わせていただきます!

 

《 アニメーターさん → リガーさんへのご質問 》

 

〘協力してもらいたい事、知っておいてほしい事は何でしょうか?〙

基本、(要望全てに応えられるだけの)工数がないことを理解してほしい。
・GUI作成には意外と工数がかかる。そもそもGUI作成の工数が含まれていないこと
が多いです。

確かに、GUIや仕様書を作成する工数は、リグ工数に含まれていないことが多い印象です。
IKFKのマッチやミラーなどの機能はGUIでの制御が多いので、アニメーションコストを考えると、
開発工数を割いてでもGUIは必要ではないか、と個人的には思います。
GUIに関しては次回のリグナイトで議論します。

 

自動で動くリグをどう考えられていますか?

・自動化のON/OFF機能を求められるし、切り替え設定が割と面倒。
・自動制御の設定は楽しいが工数がないと辛い
・要望があって設定しても、他のアニメーターさんからは必要ない、とも言われるので要望をまとめてほしい

工数がない、とのご意見が多数でした。

 

喜びを感じるポイントは何でしょうか?

・リガーが想定していた以上のアニメーションが上がってきた時。アニメーターさんって凄いと感じる。
・このリグがあったから良いアニメーションが付けれた!と言われた時。
・今後も一緒にやっていきたい。と言われるのが嬉しい。
ずっと触っていられるリグですね!と言われた時。
・リグのおかげで何とかなってよかった!と言われると、工数的に無理して対応しても報われた気持ちになる。

リガーさんにとっての一番近いクライアントはアニメーターさんなので、やはり褒められると嬉しいです。
アニメーターの皆さま、リガーさんを褒めると良いリグが上がってきやすいかもしれません。

 


          前半のモチベーションの議論の様子

 


休憩 『懇親会』


              懇親会の様子


              懇親会の様子

 


後半 『教育』

《 共通 》

 

どのような教育、採用を行っていますか

<教育>※リガーさん
1対1で教育する
(教育者は固定)。徒弟制で師匠のやり方をまずマスターさせる。そのほうが混乱しない。
・刺激を与えるために教える側を定期的に変えるパターンもある。
1対多で教育する(教育者は固定)。そもそも教育できる人が少ない。
・教材を用意して、指定した期間で教育する
・人型の骨からウェイト作業までを2~3週間かけて教育している。
過去案件のキャラを教材に2ヵ月ほどかけて、スクリプト込みのフルセットで教育している。
・新人の習得状態によって教育期間を判断している。

 

<採用>※リガーさん
人柄、性格を重要視している。
スキルは後で教えればいい。
・リガーの採用時にデモ動画のみでは信用できない。皆似たようなリグで判断できない。
・リグはアニメーターさんのご要望やコンテなど、配慮する部分がたくさんあるので、
でき上がったものだけ見ても判断材料にならない。
・データを見せてもらう、試用期間大事
・試験課題を与えて対応能力を確認する。
・中途の方は社内フローを教えたとしても、契約期間が終わると移籍される方が多く根付かない。
教育コストを考えると辛いので、新人の方を採用する機会が多くなっている。
が、本当は中途の方も応募してきてほしい

 

<教育>※アニメーターさん
オンラインスクールのおかげでいい人材が増えてる

 

<採用>※アニメーターさん
アニメーションテストは必須で行う

リガーさんのお話がかなり盛り上がって、アニメーターさんのお話があまりお聞きできませんでした。
次回にお聞きしてみます。

 

学生さん、新人リガーさんにはどういったことを学んで欲しいですか

見る目を養ってほしい。技術は後からでもよい。
・ジョイントの位置やデフォームなど、解剖学を学んで欲しい。

解剖学をしっかりと学んでウェイト調整を習得していると、即戦力としてかなり戦力になると思います。

 

アニメーターさんによって、コントローラーの仕様について意見が分かれてしまう場合、SVはどのように管理していますか

基本的にSVが仕様をまとめて、スタッフに指示を出す。
・SVのいない案件は地獄。
・コントローラーの仕様は、演出の優先度とリグコストと相談するしかない。
・残りショット数なども考慮し、修正しない判断をする場合もある。
・全カットに恩恵があれば、リグ側で数パターンのリグを設定している場合もある。
・プリプロ期間が多い時にアップデートを試みる。忙しい時は我慢。

リグ、アニメーションに関わらず、意思決定者が必要というご意見が多数でした。

 


            後半の教育の議論の様子

 

以上が議論で出た主なご意見となります。

リガーさん、アニメーターさんのご意見がバランス良く互いに飛び交っており、
有意義な意見交換が出来たように思います。
上記内容の他にも、モデルの形状やモジュラーリグ、
リグの更新のタイミングなどの沢山の質問が飛び交い、議論を交わされていました。
今回の意見交換で前後工程の理解が少しでも深まり、円滑に作業を進める潤滑剤となれば幸いです。

今後も様々な点を改善しつつ、リグナイトを開催していきますので、その際もご参加していただければ幸いです。
次回は「コントローラー」と「GUI」の議論となります。
では。

 

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