BACKBONE RIG&TA EXPERTS

第2回リグナイト『リガーアニメーター座談会その②』中編~議論結果~

2019/05/22

ご無沙汰しております。
BACKBONEの福本です。

 

今回は、第2回リグナイト『リガーアニメーター座談会その②』の当日の様子をお伝えします。

第1回リグナイトについてはこちら
今回ご参加いただきました会社様、リガーさん、アニメーターさんの数は下記となります。

・映像関連   :  8社
・ゲーム関連  :  4社
・両方     :  3社
 計      : 15社

リガーさん    : 10名
・アニメーターさん :  7

・両方       :  2名
 計        : 19名

座談会は前回と同様、事前にいただいたアンケートからテーマを絞り徹底的に掘り下げて議論する、
という方針で進めました。今回は、前回で議論しきれなかった、

① コントローラー
② GUI

の2つのテーマとなります。
進行については、前回同様、

前半1時間        : 指名された3名が発表席に座り意見を述べる。その後、皆で意見を出し合う。
休憩(懇親会)40分   : お酒とお食事を飲み食いしながら雑談。
後半1時間半       : ランダムに皆で意見を出し合う。

という形で進めましたが、皆様の緊張をほぐすため早目に懇親会に入り、後半の議論を長めに行いました。


                    自己紹介の様子

 

 

※以下の議論内容は、各テーマの「解」ではなく、皆さまの経験談に基づく「ご意見」となります。


前半 『コントローラー/GUI』

《 リガーさん → アニメーターさんへのご質問 》

 

《 アニメーターさん → リガーさんへのご質問 》

 

双方のご意見が入り混じった議論となりましたので、下記、議論で上がったご意見をまとめました。

〘これだけは欲しい(工数がなくても最優先で欲しい)機能は何でしょうか?〙

・フェイシャルだと、使用頻度ごとにコントローラーの表示 / 非表示が欲しい
IKとFKのマッチング(IK⇔FKに切り替えた際、同じポーズで切り替えが行なえる)機能。
親空間の切り替え機能。

IKFKのマッチ機能はないと作業にならない、とのご意見が多数でした。
GUIがなくても、この機能だけのツールは必須との事です。

 

〘その他に機能のご要望はありますか?〙

・オーダーによっては無茶な挙動も必要なので、FK の translate と scale は解放して欲しい
・FKの解放に関して、ゲームではちゃんと仕様書を作成してロックされているものとして通知しておく。
後工程側でもデフォーマを設定できるように設定しておいて欲しい。
 (何でも出来るようにすると収拾がつかなくなる場合もあるので注意が必要。)
・ゲームでリグ機能の追加を要望された場合は、コストがかかるため直接骨で対応してもらう場合がある。
・工数が無い場合は有料ツールの購入を検討してはどうか。

映像では、アニメーション後にシルエットの微調整などでSoftmodやClusterを使用して
形状修正を行うケースが多々あるようです。
Alembicやジオメトリキャッシュで出力する制作フローであれば、
後工程でのデフォーム対応は特に問題ないと思いますが、リグデータやアニメーションデータ
などを出力する制作フローの場合は、事前にリグの設計をしっかりと行う必要があります。

 

〘過去触ったリグで使いやすかったものはありますか?〙

海外のリグが使いやすかった。重い、軽いではなく、必要最小限の無駄のないコントローラーが魅力的だった。
 アニメーターが必要としている機能しか設定されていなかった。
・日本のリグは機能が盛り沢山だが、結果使用しないコントローラーが沢山ある

映像ゲーム問わず、リガーさんとアニメーターさんとの事前確認がとても重要ですね。
また、リガーさんがアニメーションを経験することも重要だと思います。

 

使用したリグで良かった点、悪かった点を教えてください

・短期で仕上げてほしい案件で、HumanIKだった時は正直キツかった。
手付けの場合、HumanIKだとキツ
・専門のリガーがいないと、データ的にエラー要素満載のリグが上がってくる事が少なくない。
HumanIKはリターゲットの際に重宝している。
・手付けとキャプチャーの作業では、便利とされるツールに差異があると思う。
LOD対応がしっかりと設定されていて、用途に応じて切り替えれるリグが良かった。

HumanIKは、アニメーションのリターゲットやキャプチャーの修正ではかなり重宝されていますが、
手付けアニメーションでは不評の方も多いようです。※あくまでもご参加されたアニメーターさんのご意見です。
慣れの問題もあるとは思いますが。。。

 

よく見るけど、実はいらないリグの機能はありますか?

・フェイシャルだと、細かいコントローラーの連動は不要。
・工数によっては、必要最小限のコントローラーしか動かさず、細かいコントローラーは使用しないケースがある
海外のリグはデフォームが綺麗なのが多いので、機能も最小限の傾向がある。
デフォームが綺麗でコントローラーが少ないとテンションが上がる
リバースフットはあまり使用していない。使用感が良ければ使用するが、悪ければ使用しないことが多い。
・リバースフットと通常コントローラーの切り替えが60FPS案件だと、どうしてもガタついてしまうので
 使用していない。連続性を大事にしている。
・softIKはあまり意識したことがない。必須ではない。
・ゲームではsoftIKを重宝している。ON / OFF機能付き。

様々なご意見がありますが、デフォームが綺麗だとテンションが上がる、というのは意外でした。
確かにデフォームを綺麗にすることで、機能を抑えてデータも軽くすることは出来ますね。
リバースフットに関しては、各アトリビュート制御時にイメージしたように動かない、というご意見が多かったので、
パラメーターを設定してアニメーターさん側で調整できるように設定しておけば良いかもしれません。

 


休憩 『懇親会』


                    懇親会の様子


                    懇親会の様子

 

 


後半 『コントローラー/GUI』

 

〘連動するコントローラーに関してのご意見はありますか?〙

・連動しない方が良い。自分の意志で動かしたい。
リアル系では連動は欲しいトゥーン系だと連動がない方が助かる時がある。
・連動の挙動が自分がイメージする挙動と同じだと気持ちがいい。
連動を付けるのはいいが、さらに個別に動かせるようにしておいて欲しい。
・連動はON / OFF出来るようにしておいて欲しい。
・視線と瞼の連動は、連動が自然でもシルエット重視で作らないといけない時があるので、
 ON / OFFがあって欲しい。
・アサインメンバーのスキルに差がある場合、連動はクオリティの安定のためには必要

ON/OFF機能の設定は、リグの設定工数がかかります、、、作業工数の確保をお願いします!

 

〘offsetコントローラーは必要ですか?〙

・ベースのリグは常に軽くあって欲しいので、offsetを付けるのであればレイヤーで対処する
・好きなノードを好きなだけアニメーションさせてしまう方がいるので、
 offsetコントローラーはなるべく少なくしてシンプルにしておいて欲しい。
・offsetコントローラーをちゃんと理解して使用しているアニメーターは実は少ない。
・アニメーションレイヤーの方が分かり易い。

アニメーションレイヤーで対応されているアニメーターさんが多いようです。

 

〘ゲーム案件ではどのようなことを注意されていますか?〙

・ジョイントのtranslateとrotateだけを出力できれば良いので、scaleは出力しないようにしている。
 場合によってはtranslateも出力しない
・ジョイントにベイクしてゲームエンジンへ出力するので、腰だけtranslate、他はrotateのみを出力する事が多い。
scaleは基本使用不可にしておき、レイアウトや画角で何とかすることが多い。
フェイシャルの場合、scaleの使用はOKの会社もある。
フェイシャルはターゲットで設定すると重いので、ジョイントベースで設定している。
・モーフィングが難しい場合は、モデルの切り替えで対応している。
プログラマーさんにお伺いを立ててから実装する

ゲームでは処理負荷の問題があるので、必要最小限のデータ量に抑えるために色々と工夫されているようです。

 

〘ゲームでのリグやデフォーム作業はどなたがされていますか?〙

モデラーさんがウェイト作業を行っている。
リガーさんがウェイト作業を行っている。
・ゲームエンジン上でリグを組んでしまうこともある。
プロシージャルアニメーションで管理している。

ウェイト作業に関しては、各会社さんによって担当部署が異なるようです。
ゲームでは、接地や階段の上り下り、群集、鳥の飛ぶアニメーションなどはプロシージャルアニメーションで
対応している、というご意見がありましたが、まだまだ研究や開発が必要とも。
ここで、某ゲーム会社のTDさんから「プロシージャルアニメーションの解説をしましょうか?」
と大変ありがたいご提案があり、第3回のリグナイトでお願いすることになりました。

 

〘コントローラーの軸についてのご意見

フェイシャルは完全左右対称がいい。
腕はbehavior、足はworldがいい。
軸を変えるために色々と機能を追加するより、外部ツールとして欲しい
・全員のオーダーを聞いてしまうと、機能モリモリで重くなってしまう。
リグに全て組み込むのではなく、ツールで必要な時に必要な機能を設定する方式が良いのかもしれない
rotateOrderはそもそも使用しない
 ジンバルロックが発生した時点で、ロケーターなどにコンストレインして無理やり対応している。
・左右対称だと、グラフエディタ上で同じanimカーブになるのが良い。
・translateは左右対称で動かなくてもいい。反転コピーできるツールさえあれば大丈夫
困ったときはロケーター作って力業で対応するので、ロケーターこそ最強

私もコントローラーや骨を設定する際、軸の向きはとても悩むのですが、
何か不具合があればロケーターで対応する、とのことで少し気が楽になりました。
最初から機能モリモリで設定するよりは、アニメーターさん側で必要な時に必要な機能を設定できる
システムであれば、リグも軽くなりとても良さそうですね。
当スタジオでも研究開発を進めてみようと思います。

 

〘工数とパフォーマンスについてのご意見〙

・優秀なアニメーターはどんなリグでもいいアニメーションを作るよ!工数があればね!
・良いアニメーションが付けれないのをリグのせいにしてはいけないが、
 やはり
良いリグだとパフォーマンスが上がる
工数もリグを確認した上で出させて欲しい
コスト削減のためにhumanIKを選択される場合があるが、結果的にアニメーションやショットワークで
 工数が膨れ上がる事が多いので、しっかりとアセットで時間をかけてショットワークを効率良くしていきたい。
・工数のバランスが大事だと思う。アニメーターとリガーの協力が必要

良いリグの定義は様々だと思いますが、前回の内容も考慮すると、
「軽い」、「デフォームが綺麗」、「アニメーターさんのイメージに沿った挙動が再現されている」
この3つは必要そうですね。

 

〘GUIは必要ですか?〙

あると助かる
海外ではGUIが大体設定されていた
海外ではGUIを作成する工数がしっかりと確保されていた
・工数がない時は自分でGUIを作成するが、余裕があるなら専門の方にお願いしたい。
・別ウィンドウでGUIが作成されている場合、デュアルモニターは必須
リグ工数にGUIの開発工数が含まれていない。辛い。後回しで結局設定できないことが多い

参加されていたほぼ全てのアニメーターさんが、
「グラフエディターやGUI、ビューの表示は分けて作業したい、デュアルモニターがあればかなり作業がはかどる!」
とご意見されていたのが印象的でした。

PM様、デュアルモニターとGUIの設定工数の確保をお願いします!

 

〘GUIでの選択とコントローラーでの選択では、どちらの頻度が高いでしょうか?〙

・コントローラーの数が多い場合はGUIが必要。
・好みに左右される。
・GUIがない場合、コントローラーはシンプルに探しやすい設定にして欲しい(気が付かない場合がある)。
コントローラーシェイプの形状はそこまで気にしていない
・案件のリグの仕様に慣れていない、又は短期間でアサインされたアニメーターにとって、
 見えないコントローラーは無いものとして作業する傾向がある。
GUIの方に視線をそらしたくないのでGUIは不要
・メインのコントローラーの数は出来るだけ減らし、サブとなるコントローラーはレイヤーで分けて欲しい
・別ウィンドウで表示されるGUIとビューポートで選択するタイプのGUI(カーブセレクター)であれば、
 別ウィンドウの方が使いやすいと感じる。

GUIが必要派と不要派でご意見が分かれましたが、コントローラーシェイプの形状は
そこまで気にされていない方が多いようです。

 

〘フェイシャルコントローラーのGUIをオリジナルで作成されてますか?〙

有料のツールを使用している。
・最初はオリジナルで作成していたこともあったが、費用対効果を考えて有料ツールで良いと考えている。
・便利なツールがあれば、アニメーターが作成してもいいのでは?
MG Pickerが使いやすくてよい!

MG Picker最高!との声が多数でした。
とても使いやすそうです。
GUIの開発や設定工数を考えると、確かに購入する方が良いかもしれません。

MG Pickerデモ
MG Pickerマニュアル

 


                    後半の議論の様子

 

他にも、カメラリグ、レイアウトとアニメーションの違いなどの議論で大変盛り上がっておりました。
今回の意見交換で前後工程の理解が少しでも深まり、円滑に作業を進める潤滑剤となれば幸いです。

第3回のリグナイトは、「各フローや作業内容」と「仕様やトリセツ」についての議論となります。
※第3回のリグナイトは既に終了しております。

では。

 

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