2026/05/25

第14回リグナイト『リグシステム座談会3』~開催レポート【Collage】~

こんにちは。
BACKBONEの福本です。

2025年12月5日に開催した、第14回リグナイト『リグシステム座談会3(JoinTool,Collage,Premo)』の当日の様子を2回に分けてお伝えします。※Premoの記事化の予定はございません。
今回は【Collage(西谷氏、林氏)】のレポートになります。

リグナイトに関してはこちら
西谷氏、林氏が所属されている株式会社ダンデライオンアニメーションスタジオのHPはこちら

 

◆『Collage』ご紹介&ディスカッション(西谷氏)

<概要>

  • 他案件・他キャラクターへの展開を想定した設計。
  • スクリプト・設定データを案件間で流用可能
  • UI依存を抑えたスクリプトベース構成により柔軟な拡張に対応。

 

<リグ構成要素の分解>

  • リグを5つの要素単位に分解して設計。
  • どのモデルにどのデフォーマを適用するかを個別に制御。
  • リグ構成についても要素単位で管理可能

 

<リグアセットの種別管理>

  • 用途ごとにリグアセットを分離して管理
  • フェイシャルアセットは、アニメーターが必要に応じてアニメーションシーン上で接続可能。
  • シーン状況に応じてフェイシャルを分離。
  • アニメーションシーンの軽量化を目的とした設計。

 

<実演>

1. 必要な要素をフォルダへ出力する。

  • 今回使用しているのは、リグセットアップ階層をブラウズできるツールで個人用に開発した確認・管理用途のツール。
    ・data:プリセットやスキンウェイトなど各種データ類
    ・dfm:骨・デフォーマー関連のデータやスクリプト

    ・geo:ジオメトリ
    ・scriptsビルド用スクリプト
    など
  • ビルド用スクリプトには、実行する各種処理内容を記述。
  • スクリプトはキャラクター単位で個別作成するのではなく、共通運用を前提として管理。
  • 基本的には案件のリードリガーが作成し、各案件・各キャラクターへ展開。

 

2. ビルド処理を実行する。

  • 実運用では、夜間にディスパッチ経由でビルドを自動実行する運用を採用。
  • ビルド後のリグは、階層のトップノードに各種リグのパラメーターを整理し、アニメーターが迷わず操作できるように配慮。
  • 案件開始前に、アニメーター側で希望構成を記載した発注書を作成。
  • 発注内容をもとに、案件ごとのリグ構成を設計・制作。

 

<フェイシャルの説明>

1. ベースとなるアニメーション用シーンをリファレンスとして読み込む。

  • このシーンは、先ほどビルドしたものと同一構成。

 

2. フェイシャルツールを実行する。

  • フェイシャル用アセットが別Referenceとして読み込まれる。同時に、アニメーション用アセットとの接続を自動構築する。
  • フェイシャルリグは、ブレンドシェイプベースの構成を基本方針として採用。
  • ブレンドシェイプ結果に対して、リグ側でオフセット制御を加える構成を採用。
  • フェイシャル構成については、ターゲットベース/リグベース双方を含めて検討中。
  • 運用・制作効率を踏まえ、現在も構成検証および議論を継続中。

 

<Q&A>

  • 〘 フェイシャル用ターゲット(ブレンドシェイプ)は誰が作成していますか?
    基本的にはモデラー側で作成しています。コレクティブシェイプについても同様に、モデラー側で対応する運用としています。

 

  • 〘サインデフォーマなど、メッシュ依存の処理はどのように定義していますか?
    カーブへ適用し、スプラインIKとして扱う構成を採用しています。メッシュを直接制御するのではなく、階層構造やジョイントを介して追従させる形で制御しています。

 

  • 〘 人型リグのフェイシャルで、ブレンドシェイプをベースにリグ側でオフセットする場合、どのように制御していますか? 
    ブレンドシェイプ結果に追従するコントローラを配置し、スキンクラスターによる調整を加えることで、差分を加算する形で最終形状を構成しています。

 

  • 〘follicle などは使用していますか?
    follicle は使用しています。ただし、現在は順次 uvPin ベースの構成へ移行を進めています。

 

  • 〘MELからPythonへの書き換えは、どのように進め、どれくらい時間がかかりましたか?
    当時はほぼ一人で開発を進めていたため、判断や方針決定を行いやすい状況でした。また、ロジック整理や管理をしやすいPythonへ移行したいという考えが、大きな動機になっています。書き換え作業については、案件対応と並行しながら約1年ほどかけて進行しました。その後、Python2からPython3への移行には、さらに半年ほどかかっています。

 

  • 〘開発や運用は、どのような体制で行っていますか? 
    当初はほぼ一人で開発・運用を行っていました。現在はメンバーも増え、案件単位で必要な更新や調整を行える体制で運用しています。

 

  • 〘リグ開発に関わるメンバーは、どのようなバックグラウンドの方が多いですか? 
    これまではSE出身のメンバーが比較的多い傾向にありました。一方で最近は、最初からリグ分野を志望して参加するメンバーも増えてきています。

 

◆『ProportionRig』ご紹介&ディスカッション(林氏)

<概要>

 

<プロポーションリグとは?>

アイドル系コンテンツやゲーム案件では、同一素体をベースに、身長や体格の異なるキャラクターを多数制作するケースが多い。そうした運用で活用されるのが、プロポーションリグ

  • プロポーションリグにより、モデラー側で直感的に体型調整が可能。
  • 調整結果はPythonスクリプトとして書き出し可能
  • リガーは出力されたスクリプトを利用し、体型に合わせたベースジョイントを自動生成。
  • マッチョ体型ややせ型など、多様な体型バリエーションを効率的に展開可能。

 

<衣装のプロポーションリグ>

アイドル系コンテンツの案件では衣装デザインが似ていることが多いため、衣装用のプロポーションリグも活用している。

  • ボディのプロポーションリグで書き出したPythonを衣装でも流用可能。
  • ボタン・ブローチなどは個別に設定可能。
  • セカンダリジョイントも共通部分は流用可能
  • コリジョンやケージも流用可能

 

<プロポーションリグ作成で苦労した点>

 

<プロポーションリグのメリット・デメリット>

 

<キャラクターリターゲット>

RBF補間を用いて、異なるトポロジー間で衣装や体パーツをフィッティングさせるツール

  • 衣装・体パーツをフィッティングさせる。
  • ジョイントや素材のフィッティングも可能。
  • ボタンなど変形させたくない部分は個別で調整可能。

 

<実行時間の目安>

  • ローポリなら約7秒程度で移植可能。

 

<ジョイント・リグ素材のフィッティング>

  • セカンダリジョイントについてもフィッティングに対応。
  • フィッティング後のジョイントは、基本的にプライマリー軸が子方向を向く構成を採用。
  • ジョイントだけでなく、カーブのフィッティングにも対応。

 

<キャラクターリターゲット導入によるワークフローの変化>

キャラクターリターゲット導入により、衣装プロポーションリグが不要になり工数を大幅削減できる

 

<苦労した点>

  • 離れた箇所で歪みが出やすいが、ローポリを挟むことで回避可能。
  • 股下など頂点が近い箇所で反対側に引っ張られるが、頂点単位のリターゲット機能で回避可能。

 

<ツール内部仕様>

 

<Q&A>

  • 〘 男女やプロジェクトごとに、プロポーションリグ用モデルは分けていますか?
    プロジェクト単位でモデルを作成しています。また、男女でプロポーション傾向が異なるため、それぞれ別モデルとして管理しています。さらに、筋骨隆々な体型など、特殊なシルエットが必要な場合には、専用のプロポーションリグを個別に作成しています。

 

  • 〘衣装用プロポーションリグで、つま先形状が異なる靴にはどのように対応していますか?
    足用ジョイントとは別に、靴専用ジョイントを追加して対応しています。これにより、ピンヒールのような特殊なシルエットや接地形状にも対応可能です。

 

  • 〘 ピンヒールの場合、腰位置を上げるような調整も行っていますか?
    対応方法は案件ごとに異なります。靴形状に合わせて衣装側を下げるケースもあれば、足位置を上げて調整する場合もあります。また、靴を基準に接地位置を合わせたうえで、キャラクター全体のバランスを調整するケースもあります。

 

  • 〘 キャラクターリターゲットでは、ローポリ・ハイポリそれぞれで毎回リターゲットを行っていますか?
    はい。まずローポリモデルで動作確認を行い、問題がないことを確認したうえで、ハイポリモデルに対して再度リターゲットを実行しています。

 

  • 〘 キャラクターリターゲット時に、逆三角形体型やマッチョ体型など極端なプロポーションにはどのように対応していますか?
    男女ベースのプロポーションリグから派生させる形で、専用のプロポーションリグを作成しています。完全新規で構築する場合と比べ、ウェイト調整作業を効率化しやすい構成となっています。

 

  • 〘 システム導入時の運用はスムーズに進みましたか?
    モデラー側にも既存の制作フローや作業スタイルがあるため、導入初期は調整や説明が必要でした。そのため、工数削減や運用効率化のメリットを共有しつつ、コミュニケーションを重ねながら理解を深めてもらう形で導入を進めました。

 

◆まとめ

今回も、自社制作のリグシステムをご紹介いただきながら、質疑応答を交えたディスカッション形式で進行しました。また、DreamWorks Animationで使用されている『Premo』については、これまでに見たことのない仕組みや機能が多く、参加者の皆さまにとっても非常に刺激的な内容だったのではないかと思います。私自身も大変勉強になりました。ご登壇いただいたJaechulさん、西谷さん、林さん、稲垣さん、誠にありがとうございました!

次回テーマは、株式会社TA様が公開されているリグシステム「UZURIG2」と開発中の揺れ物システム「Bonjolt」のご紹介 + フリートークを候補として検討しています。

次回は7月10日(金)の開催を予定しています。
開催日時や応募方法などの詳細については、弊社ブログにて順次ご案内いたしますので、ぜひ定期的にチェックしていただけますと幸いです。

それでは、また次回お会いしましょう!

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