
株式会社デジタル・フロンティア CG制作部 ディビジョンマネージャー 福田 啓様より
弊社は歴史的にMotion Captureを用いたアニメーション作成が多く、手付けアニメーションやリグに対する課題がありました。決してクォリティが低いわけではないのですが、アセットによっては、重い、使いづらい、といった声があったのは事実です。こういった手付けアニメーションのクォリティを今後どう上げていくかというところで、弊社出身である福本氏に、ワークショップやリグ道場を通じたトレーニングをお願いすることになりました。ワークショップには私も聞き専として参加しましたが、弊社としてはあまり経験のない緊張感に包まれておりました(笑)。怖いとかそういうことではなく、あくまで各人の自主性や向上心を高めるための提言があったりなど、最近の弊社ではあまり見られなかった雰囲気だったので新鮮でした。ただ、中間層が少し抜けてしまった状況ということもあり、「技術的に難しい」という声はチラホラ出ておりました。そんな中、リグ道場で三ヶ月ほど鍛えて頂いた弊社のアーティストがピリッとして戻ってきました。その彼が、ワークショップの内容をドキュメントにまとめたり、復習の時間を設けて他のアーティストを指導したり、そもそもワークショップ中にキビキビと段取りしたり会話するようになっていて、少し驚きました。リグ道場でしっかりと、かつモチベーションを高めるような鍛え方をして頂けたのかなと感じました。また、ワークショップで学べたことは中~上級者にとっては喜びが大きかったようで、その当時走っていたプロジェクトで積極的に導入している例も見ています。この様な取り組みで新しいことを学んだり試したりすることで、技術力だけではなくモチベーションの向上にも繋がったのかなと感じています。今回学ばせて頂いた技術や知識をしっかりと活かせるよう、弊社としても努力して参りたいと思います。本当にありがとうございました。
株式会社デジタル・フロンティア CG制作部 ディビジョンマネージャー 福田 啓
株式会社デジタル・フロンティア CG制作部 リギングアーティスト S.M.様より
弊社では長らくアニメーションのメインツールとしてモーションビルダーを採用し、その強力なコントロールリグに頼っていたため、手付け、特にボディのリグ制作に関する経験が不足しておりました。また、技術の属人化やベテランの退職、さらに管理業務の負担など、深刻な課題を抱えており、改善がなかなか進まない状況が続いておりました。このような状況を打開すべく、福本様に弊社セットアップ室のコンサルティングとチームビルディングをお願いし、その過程でリグ道場への参加をご提案いただきました。4か月間にわたる育成プログラムでは、リモート出向という形でBACKBONE様の環境にて教育を受けさせていただきました。リグ道場を通じて特に感銘を受けたのは、育成プログラムの中で「答えを用意せず、自ら考えさせる指導」と、「制作したリグの問題点を即座に見抜き、改善のヒントを与える指導」の2点です。この経験を通じて、物事をロジカルに考える力を養うには、論理的な分析と膨大なトライアンドエラーの積み重ねが不可欠であることを痛感しました。実際、リグ道場で過ごした期間は非常に集中して実践経験を積むことができ、道場参加前と比べて技術的に大きく成長できたと実感しております。また、自社とは異なる環境や勤務体制での業務は新鮮で、さまざまな気づきを得る貴重な機会となりました。特に強く感じたのは、相手の立場に立って物事を考え、伝える際の配慮がいかに重要かということです。相手にとって分かりやすく伝えるためには、独りよがりにならないようロジカルに考え、相手を思いやる姿勢が必要であると深く学びました。現在はリグ道場での経験を踏まえ、手付けリグの制作や補助骨の自動化を含めたツール開発に取り組んでおります。ロジカルな思考法についてはまだ課題を感じる部分もありますが、学んだことを活かし、今後のリギングやチームビルディングの向上に努めていきたいと考えています。このたびは貴重な経験をさせていただき、誠にありがとうございました。
株式会社デジタル・フロンティア CG制作部 リギングアーティスト S.M.
株式会社デジタル・フロンティア CG制作部 リギングアーティスト R.K.様より
リグ道場では、Mayaを使用した人型リグを2か月で作成するカリキュラムに参加させていただきました。
弊社のセットアップ室では、Mayaのリグ制作において既存のモジュラーリギングシステムを活用していましたが、これまでリグに機能を追加する際には、システムの仕様範囲内で手探りで行うことが多く、複雑な機能を組み込むのに苦労していました。
その結果、リグの要件を満たすためにやや強引な増築を行うこともあり、アニメーション操作が重く、扱いにくいリグになってしまうという課題を抱えていました。
リグ道場のカリキュラムでは、処理負荷を最小限に抑える「ローカルリギング」という手法を用い、実践的にリグを構築するプログラムを受講しました。
特に印象深かったのは、BACKBONE様が開発されたリグのデータ内部にあるノードネットワークを解析せず、リグの挙動のみを観察し、それを再現するという進め方です。
リガーとしては、まずデータの中身を確認したくなるところですが、あえてそれをせず、限られた情報の中でよりロジカルに考える必要が出てくる点が新鮮で、非常に興味深い体験でした。
IK、FK、ストレッチなど複合的に絡み合うリグを、いかにシンプルに構築するかを模索する過程は刺激的で楽しいものでした。
また、制作したリグデータについて繰り返し添削をお願いしました。自分ではシンプルに組んだつもりでも、さらに効率の良い方法を提案していただく機会が多く、学びの多い日々を過ごすことができました。
このカリキュラムを通じて、実績のある人型リグの構築方法を体系的に学ぶことができ、自己流や断片的な知識で試行錯誤していたこれまでの手法から脱却するひとつの指標を得られました。これにより、リグ制作の選択肢が大きく広がったと感じています。
さらに、リグで多用したMatrix関連ノードに対する苦手意識も薄れ、人型リグに限らずさまざまな場面で応用できる力がついたと実感しております。
今後は、この経験を活かし、より軽量で扱いやすいリグを制作できるよう努めてまいります。
このたびは貴重な学びの機会をいただき、誠にありがとうございました。
株式会社デジタル・フロンティア CG制作部 リギングアーティスト R.K.