2024/06/05

eST3便利機能のご紹介 その①「jointAxisEditor」

こんにちは。
BACKBONEの福本です。

5月24日にeST3がパブリックリリースされましたね。
eSTは、ポリゴン・ピクチュアズ様が20年にわたり使用されてきたリグとアニメーションのフレームワークで「eST3」はその最新版です。

eSTパブリックリリースについて
eST3リリースサイト

 

eSTには多くの機能が搭載されていますが、その中でも私(弊社)が特に便利だと思うツールについてご紹介できればと思います。便利な機能だらけで選ぶのが難しいですが。。。
今回は、ジョイントの軸を変更する際に便利な『ジョイントアクシスエディター』をご紹介します。
※eST3リリースサイトのユーザーリファレンスに各機能の説明がございます。詳細は公式サイトをご確認ください。
ジョイントアクシスエディターについて

 

◆ジョイントアクシスエディター

ジョイントの軸(向き)を編集するツールです。

起動方法

編集>ジョイント>ジョイントエディター
を実行するとジョイントアクシスエディターが起動します。

 

基本的な使い方

① 軸を編集したいジョイントを選択します。

 

② エディタ左上の「+(アタッチ)」アイコンをクリックすると、選択したジョイントのみ軸を編集するハンドルコントローラが作成されます。

 

「+」の右隣にある「アタッチ ( 階層 ) 」アイコンをクリックすると、選択したジョイントの子階層すべてのジョイントに対してハンドルコントローラが作成されます。
今回は「アタッチ ( 階層 ) 」を使用するので、すべてのジョイントに対してハンドルコントローラを作成します。

 

③ 軸の優先順でプライマリー軸とセカンダリー軸を設定します。
今回はプライマリー軸に「X」、セカンダリー軸に「Y」を設定します。

 

④ 「編集」で設定方法を選択します。
動画では「次のジョイントへ向ける」を選択しています。
反転する」にチェックを入れると設定した軸が反転します。

 

⑤「コントローラー>すべての回転ハンドルを選択」を選択して「適用」をクリックします。
設定を元にハンドルコントローラとジョイントの軸が変更されます。
編集の終了後はエディタの上にある「ゴミ箱(全て削除)」アイコンをクリックします。
ハンドルコントローラが削除されます。

 

ハンドルコントローラを直接制御してジョイントの軸を変える事も可能です。
回転制御で調整、軸ハンドルを移動して調整など。
軸ハンドルは、プライマリー軸とセカンダリー軸のみ制御できます。

 

編集の設定は「次のジョイントへ向ける」以外にも多くの機能がありますが、特に便利な「サーフェイスの法線と揃える」に絞ってご紹介します。

 

「サーフェイスの法線と揃える」機能について

① nurbsSurfaceを用意します。

 

② エディタの編集から「サーフェイスの法線と揃える」を選択します。

 

③ nurbsSurfaceを選択後、「セット」をクリックして登録します。

 

④「コントローラー>すべての回転ハンドルを選択」を選択して「適用」をクリックします。
ハンドルコントローラとジョイントがサーフェイスに沿った向きに変更されます。

 

⑤変更後は念のため、これまでと同様の手順でプライマリー軸を「次のジョイントへ向ける」処理を行うと良いと思います。

 

まとめ

ジョイントの軸を変更する際、ツールを使用せずに手動で軸の調整をするにはかなりの労力がかかります。Mayaの標準機能ではOrientJointしか搭載されていないので(他にもあったかな?)、フリーのツールを使用するか、自前で作成したツールを使用されているケースが多いと思います。ジョイントアクシスエディターを使用すると編集が簡単に行えますので、ご興味のある方は是非使ってみて下さい。

eSTにはこのツールだけでも多くの機能が搭載されていますが、すべての機能を使いこなすにはかなりの時間が必要です。私もeSTのすべての機能を使いこなせるわけではありません。個人的な経験談になりますが、まずは便利そうなツールから使用しつつ徐々に慣れていくと良いと思います。

 

弊社BACKBONEでは、eSTを実用レベルで使用できるスタッフが複数名在籍しております。弊社オリジナルのリグやmGear、AdvancedSkeleton、Collage、またBlenderのリグなど、あらゆるリグのご対応が可能です。eST導入のご検討やリグ制作等でお困りの際は、お気軽にご相談くださいませ。※eST開発者様へのお繋ぎも可能です。eST3につきましては、ボーンデジタル様(support@borndigital.co.jp)にお問い合わせください。

次回は、便利なコンストレイン機能についてご紹介できればと思います。
ではまた。

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